ボクシングデーって何?
クリスマスの余韻がまだ冷めやらぬ12月26日。
クリスマスが過ぎ、新年があけても旦那様のお誕生日が大晦日という事もあり、彼の希望で通年1月半ばまでクリスマスツリーが飾られている我が家。
日本では26日になるとクリスマスは終わって一気にお正月ムードですが、移民の国オーストラリアにはもう1つビッグイベントが控えています。
海外では多くの国々で「ボクシングデー」という祝日があるのをご存知ですか?
ボクシングデーは毎年12月26日に祝われる休日で、主にイギリス連邦諸国で盛んに祝われていますが、その歴史や現代の過ごし方は意外と知られていないかもしれません。
名前こそ格闘技を連想させますが、全く関係はありません。
ショッピングやスポーツ、家族と過ごす時間等の楽しみ方がある独特の休日なのです。
この記事ではイギリスの伝統から始まり、世界中で独自の文化を育んでいるボクシングデーの魅力についてお伝えします。
クリスマスの余韻を楽しみつつ、新たな楽しみ方を発見できるこの日の過ごし方&その歴史的背景が分かるとボクシングデーのある国の文化がもっと理解できますので是非ご覧頂き、知識のひとつとして幅を広げてもらえたらと思います。
ボクシングデーっていつ?
「ボクシングデー(Boxing Day)」は12月26日、クリスマスの翌日です。
イギリスやオーストラリアでは、クリスマスイブからの祝日になるので大抵3連休です♪
クリスマス(12月25日)
ボクシングデー(12月26日)
そしてこのクリスマスにアドベント(クリスマス前の4週間、通常12月1日から始まる)や年末年始休暇も加わり、休みはどんどん長くなりがちで、多くの国や地域ではこれらを含めるとホリデーシーズンが約1ヶ月に及ぶこともあります。
正確な日数は国や地域、そして個人や組織の慣習によって大きく異なります。
イギリスやオーストラリアではクリスマスとボクシングデーは銀行休業日(Bank Holiday)になってるよ
英国系列の国ではボクシングデーを含む「クリスマス休暇」が法定休業日となってることがほとんどで、26日が週末の場合、次の平日(通常は月曜日)が代替休日となります。
なぜボクシングデーと呼ぶの?
名前の由来は全く格闘技のボクシングとは関係ありません!
じゃあどうして「ボクシングデー」と呼ばれるかというと…
昔、イギリスでは裕福な家庭がクリスマスに帰省できない使用人の為に感謝の気持ちを込めてクリスマスの翌日にクリスマスボックスと呼ばれる贈り物の箱を渡すという習慣があったことから感謝の日としての意味で始まった説がメインです。
また、寄付の日として教会が1年を通して集めた寄付金を、貧しい人々に配布していた日ともされています。
1830年代(ヴィクトリア時代)に始まったボクシングデー。
貧しい人達のためにクリスマス当日には教会に沢山のプレゼントが届けられました。クリスマスの翌日にプレゼントを開けるため、’’Box’’ing Dayと呼ばれたそうです。
教会で募った寄付金が「箱(box)」の中で保管されていた事からという由来だね~
私が実際ボクシングデーをオーストラリアで過ごした時も、お友達がごちそうを作って教会へ持参してました。
この2つの説が「ボクシングデー」の名前の由来のメインとなります。
ボクシングデーを祝う国は?
イギリスやカナダ、オーストラリアなど、キリスト教徒の多い国で広く知られている記念日で、以下の国々での祝日となっています。
大人も子供も貰ったプレゼントはツリーの下に置いて、26日までは開けずに我慢なのです。
オーストラリアではクリスマスプレゼントをやっと開封出来るのがこの26日です!
26日にみんなで各自が貰ったプレゼントを一緒に開封しながら、全力で楽しむビッグイベントです!
ごちそうがずっと続く3日間なので、もうお腹が苦しくて…お店はどこも閉まってるし。
やっと27日になったらスーパーが開くな~と思いながらボクシングデーを過ごしていました。
日本人にとってのお正月がクリスマスホリデーなので、皆エネルギッシュに楽しんでいます。
なぜアメリカにはボクシングデーがないの?
なぜボクシングデーがアメリカにないのか?
同じ英語圏でも文化の違いは結構あります。
特に英国系と米国系は同じ言語の英語圏とはいえ、文化の違うところは多いんです。
ボクシングデーは歴史的背景もあり、主にイギリス連邦諸国の伝統です。
アメリカは独立後、多くのイギリスの伝統を採用せずに自分たちの文化を発展させました。
英語の文法的な言いまわし(have とhave gotなど)の違いもその一つです。
クリスマス翌日に特別な祝日を設ける必要性を感じずに、独自の休日文化を発展させたアメリカンスタイル。
アメリカは様々な宗教や文化的背景を持つ移民国家であり、特定の宗教的な休日を国全体で採用するのは難しいというのも理由の一つ。
アメリカは伝統的にも労働を重視する文化があり、クリスマスに追加の休日を設けることに消極的だったんだね。
一部の企業ではセール等の形で非公式にボクシングデーを取り入れている場合もありますが、比較にはならないほど小規模
以上の理由に加えて経済的な要因からも、クリスマスの売り上げが重要な企業にとってはボクシングデーのような追加の休日は経済的に不利益と考えられたので、アメリカではボクシングデーを公式な休日として認識してはいません。
ボクシングデーの過ごし方【オーストラリア編】
ボクシングデーを祝う国に挙げた各国、イギリスやカナダ、オーストラリア、南アフリカ等でボクシングデーは祝日となっています。
ただ、国によって少しずつ過ごし方が異なるのも面白いところです。
私の知るオーストラリアでのボクシングデー、皆はいったいどう過ごしているのかをご紹介しますね。
大規模なSALE!
オーストラリアでのボクシングデーは年間で最大のショッピングイベントの一つです!
多くの店舗が大幅割引となり早朝から開店しますし、オンラインショッピングも非常に人気があります。
オーストラリアに住んでいた時の私の中のボクシングデーは買い物とスポーツの日というイメージです。
ボクシング・デーは私も親族に連れられてお買い物へ行ってました。
要するに「バーゲンセールの日」です。
日本の「歳末セール」のように店舗がこぞって大規模な安売りを一斉スタートするので賑やかです。
施設によっては「ボクシング・ウィーク(Boxing Week)」と名付けて1週間ほどセールをすることも!
近年ではアメリカ発の「ブラック・フライデー」の普及により、消費量や存在感が薄れてきていると言われていますが、それでもかなり大規模なセールが開催されます。
私の中では12月25日の「クリスマス」に贈られたプレゼントの箱を26日にやっと開封できる…という捉え方でしたが、実際の意味は26日に貰ったプレゼントを教会に持って行く、というイギリスの伝統を受け継いでいるようです。
その準備もあるのかクリスマスプレゼントを求める数が、日本と比べたら尋常ではありません。
クリスマスシーズンのオーストラリアのニュースでは大規模な主要都市シドニーやメルボルンのショッピングセンター(主にマイヤーやデビッドジョーンズ)等の大規模デパートに大勢の買い物客がごった返しているのが見られました。
実際私もその中の一人でしたが…。
お店やレジに並ぶ買い物客の長い列が圧巻!
購入したものは別料金を支払ってのラッピングシステムの為、梱包してくれるエリアでまた並ぶ。
もしくはラッピングアイテムを自分で購入し、自らラッピングする方式です。
欧米人は行列が嫌いなはず…というのを忘れてしまうほど、オーストラリアではショッピング熱に浮かされています。ショッピングカートが山積みになるほどの数。
積み重なる箱の数に従業員の方もアタフタされます。
海外のショッピングセンターは巨大な施設が多いので、本当にお買い物で疲れちゃいますが、満足度は高いです。
1年分をこの日全部!程の勢いで買いまくってます。
今はオーストラリアドルがずっと上昇しているので、どうしても現地価格を日本円で換算してしまいますが、インフレの上昇と相まって価格が上がっているように見えますね。
ちなみに現在は1豪ドル98円前後ですが、2020年3月では64円程度でしたので、この3年間でいかに豪ドルの価値が上がっているかハッキリとわかります。
クリケットの試合観戦
特にイギリスでは、サッカーやラグビーの試合が行われることが多いですが、ふじこの旦那P君も大好きなクリケットのボクシングデーテスト(メルボルンクリケットグラウンドで行われる伝統的なクリケットの試合)が有名で、私の中のボクシングデーのはずーっと親族の男子がごちそうを食べながらクリケットを見ている印象。
クリケットの中で、最も格式があると言われ、ICCが認定したナショナルチームでないと参加できないゲーム方式だよ!
なんと最大5日間にもまたがって実施される長い公式試合!
ちなみにクリケットとは…?
- 英国・豪州・インドなどの英連邦諸国で盛んな球技
- 競技人口はサッカーに次いで世界第2位といわれている
- フェアプレーを重んじる紳士・淑女のスポーツ
クリケットはイギリスの国技で、野球の原型といわれる球技。羊飼いの遊びが起源です。
主に英国、オーストラリア、インド、南アフリカ、西インド諸島などの英連邦諸国を中心に大人気で、世界の競技人口はサッカーに次いで第2位といわれています。
特にインド、パキスタン、スリランカ、バングラデシュなどの南アジア諸国では、圧倒的な人気を誇り、トップ選手の年収は30億円を超える程のヒーロー級!
私はクリケットが何ものであるか全く知らなかったので、公式試合に5日間かかると聞いた時は、冗談で言ってるのかと思ってしまったほど。
ボクシングデーテストの「テスト」の意味は、長く厳しい試合を精神的にも肉体的にもテストされている事実から由来しています。
初めて公式でテストマッチが行われたのは、1877年にメルボルン・クリケットグラウンドで、イングランド-オーストラリアの対戦で行われました。
ロレックス・シドニーホバートヨットレース
60年以上にわたりヨットの世界と密接な関係を築いてきたロレックスがサポートする最高峰のヨットレース!
郵便局の切手になるほどで、オージーならみんな知ってるレースです。
オーストラリア クルージング ヨット クラブが主催する毎年恒例の海洋ヨット レース イベントで、ボクシング デーにニュー サウス ウェールズ州のシドニーからスタートし、タスマニア州のホバートでゴールします↓
ロレックス・シドニーホバートヨットレース公式サイト
高級腕時計ブランド、ロレックスはこのビッグイベントを20年以上にわたって支え続け、オーストラリア・クルージング・ヨットクラブの誇れるパートナーとしてオフショアレースをリードする組織となっています。
ビーチと屋外BBQ&アクティビティ
オーストラリアのクリスマスは夏!
夏季休暇のスタートなので多くの人々がビーチに出かけます。
バーベキューやピクニックなどの屋外活動も人気で、家族や友人とプライベートな余暇を過ごすのが通常。
とにかくオージーはBBQ大好き!
毎週末BBQというファミリーも普通で、電気屋さんにはBBQマシンコーナーがあるほど。
しかも結構な価格、20万円台がずらっと…BBQへの情熱がすごい。
そしてとても性能が良く、大きくて本格的なものばかり。
ソーセージにスペアリブにラムに豚、牛肉に海鮮にと、バラエティにあふれていますし、お肉屋さんでも様々な種類のBBQ用のアイテムが揃っています。
大抵こんなBBQマシンがプールサイドか屋外スペースに設置されています↓
男のBBQ!これはもう男子が黙ってない分野だね~
BBQに関しては、必ずと言っていいほどMAN’S JOB
女性がBBQを取り仕切ってるシーンを見たことがないです。
パーティに招待した方が大抵トングマスターといってBBQリーダー的なお役目で、飲みながら、お喋りしながら楽しむのが常。
オーストラリアのホリデーはクリスマスモードが続いて家族や友人と過ごす人がほとんど。
休暇旅行の始まりとなることも多く、国内旅行が盛んになります。
慈善活動(ボランティア)
この日を利用してボランティア活動や寄付を行いうのも習慣になっている方が多いです。
ボクシングデーの起源は、裕福な人々が貧しい人々に贈り物をする習慣にあったので、この精神を現代に引き継ぐ形でボランティア活動が行われています。
そしてクリスマスの翌日にボランティアをすることで、自分が受けた恵みへの感謝を表す機会となりますし、ボランティア活動を通じて、地域社会との繋がりを深める良い機会となります。
企業は祝日なので、比較的にボランティアに参加しやすいですね~
クリスマスは本来キリスト教の文化のため、恵まれない人々のためのイベントや食事会が開催されることが多いので、単なる休日ではなく、社会に貢献する日として意味づけることができますね。
まとめ
ボクシングデーはクリスマスの余韻を楽しみながら祝う日となっています。
各州や準州によってはボクシングデーの過ごし方に若干の違いがあり、一部の地域では地元のお祭りやイベントが開催されます
ビッグセールが開催されるのでお買い物に、スポーツファンはクリケットをメインにスポーツ三昧、家族との時間を大切にしたい人は旅行やレジャーに、それぞれの楽しみ方があるのがこの祝日の魅力かもしれません。
もしこの文化のある国にホームステイ中だったり、旅行中ならクリスマスのホリデーシーズンがもっと楽しくなるはず!
そして公共交通機関は通常、休日ダイヤで運行されますのでご注意くださいね!
スーパーマーケットや多くの企業が休業しますが、最近では小売店やレストラン、娯楽施設は営業していることも増えました。
様々な要素が混ざり合った独特のボクシングデーという文化。
ニューイヤーの夏のホリデー開始と重なることで、より祝祭的な雰囲気を持つ日となっていますので、ボクシングデーのある国で過ごされる方は是非この文化を満喫していただきたいです。
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