ハロウィンの本当の意味って?
ハロウィンといえばコスプレでイベントに参加したり、子供たちは口々に「Trick or Treat」を声に出し、おやつを貰えることを期待しながら目がキラキラするキュートなシーンが見れるイメージ。
お祭り感覚で過ごす方が多い印象ですが、そもそもハロウィンの起源や由来、仮装(コスプレ)をする意味ってなんでしょう?
実は日本と海外ではハロウィンの意味にも大きな違いが‼
こちらの記事では、知っているようで知らない本当のハロウィンのあれこれをお伝えします。
本当のハロウィンの意味や文化を知って、この文化を楽しんでもらえたらと思います。
Trick or Treat(トリックオアトリート)とは?
20年前と比べると最近は日本でもハロウィンがすっかり定着しました。
10月末のハロウィンが近づくと街も一気にオレンジ色のデコレーションが増えて、様々なコスチュームやフェイスペイントなどの仮装で各地のイベントが賑わいます。
10月31日になると子ども達は「Trick or Treat!」(トリックオアトリート)と声を出して近所を回ってお菓子をもらうのがやや一般化しつつある近頃の日本。
では「Trick or Treat」って、何を意味しているのでしょうか?
ハロウィンでお馴染みの「トリック・オア・トリート(trick or treat)」という合言葉。
アメリカでは、仮装した子どもたちが街を練り歩き、「トリック・オア・トリート!(お菓子をくれなきゃ、イタズラするぞ!)」と各家庭の玄関先で声をかけて、大人にお菓子をおねだりするのがお決まりとなっています。
大人たちは「ハッピーハロウィン!」と言いながらハロウィンのために用意したお菓子を渡すんだよ~
この風習には死者の魂を沈める意味合いが込められているのだとか。
Trick or Treatはそのまま直訳だと「いたずらか、お菓子か」といった意味になります。
このtreatは、動詞。「~に待遇する」の意味を持ちます。
「Trick or Treat」は省略文になっており、分かりやすい語を補うと「Treat me, or we’ll trick you」
なります。
日本語でも、日常会話で単語や語尾などを省略する事例はよくある現象。
「もてなせ!さもなければ悪事を働くぞ」といったところでしょうかね
「Trick or Treat」も長い時間を経て生まれた言い回しなのでしょう。もうここは文法のことなど考えずシンプルに合言葉的なものだと思ってもらえたら♪
ハロウィンのお菓子は魔除け‼
日本では子どもたちがお菓子を求めてご近所を回っていく風習は海外より定着していませんが、家族や友人などの仲間うちでお菓子を交換し合うには楽しそうですね。
子供達に配るお菓子の定番はキャンディやクッキーですが、基本的にはどんなお菓子でもOK。
このハロウィンの時期になると各種お菓子メーカーが趣向を凝らした「ハロウィン用のお菓子」を販売しています。
ハロウィンで子どもたちがもらうお菓子には魔除けの意味がこめられているとされています。
精霊が家の中に入り込まないよう、お菓子を渡すことで帰ってもらうということです。
個人的にはハロウィンシーズンになると、各菓子メーカーやスイーツ店から期間限定のハロウィンスイーツが登場するので、それが楽しみです。
ハロウィンの由来とは?
毎年10月31日の夜に行われるハロウィン。
この日はケルト人の一年の終わりの日であり、夏の終わりと冬の到来を告げるお祭り「サウィン祭」を行う日であると同時に、死者の霊が家族を訪ねてくると信じられていました。
日本のお盆に近いイメージですね
ハロウィンを日本語に訳すと万聖節。
「ハロウィン」という名前は、カトリック教会が11月1日に全ての聖人と殉教者を記念する “諸聖人の日 (All Saints’ Day / All Hallows Day)” の前夜祭 “All Hallows Eve” が短縮され “Halloween” となったと言われているので、ちょっと理解しにくく、ややこしいですよね。
ハロウィンはキリスト教の聖人を記念する風習の一部。
その起源は2000年以上前の古代ケルト人まで遡ります。前述にもある古代ケルト人の祭礼「サウィン祭」が起源。
なぜ10月31日かというと、もともとケルト人の一年の終わりが10月31日であり、収穫期の終わりと冬の始まりの時期だったことで、この時期にお祭りをすることになったようです。
彼らは自然を崇める独特の文化を持ち、11月1日を新年と位置付けていました。
その前日にあたる10月31日には先祖の霊が戻ってくるとされていたので先祖の霊を迎えるために、焚き火などの魔よけの儀式を行っていました。
古代ケルト人とは、アイルランドやスコットランドを中心にヨーロッパの広い地域で居住していた民族のことだよ。
日本でも10月は神無月、1年でこの月だけは神様たちが出雲に集うと言われています。
収穫と冬の訪れの節目には日本も欧米でも何かしらのお祭りをするタイミングだったんですね。
その後キリスト教信仰の拡大とともに、儀式にキリスト教文化を合わせる形で「諸聖人の日」が誕生。
19世紀に入ってからは移民とともにその風習がアメリカに伝わったことで、現在のハロウィンへと発展していきました。
キリスト教の聖なる日のひとつで、あの世に行った者たちが10月31日の夜に家に帰ることができたとの言い伝えがあります。そのため10月31日の夜空には沢山の霊たちに交じって、悪い魔物たちも飛び回るので人々は仮面を被って仮装し、悪霊に気づかれないよう工夫したり、魔除けの儀式を行ったりしました。
空を飛ぶ彼らが「Trick or Treat!」と叫んだので、悪霊たちをお菓子でもてなして静かになってもらうようになったようです。
※ハロウィンの起源については諸説あります。
なぜ仮装してパレードをするの?
前述の通り、ハロウィン(10月31日)は先祖の霊が戻ってくる日とされています。
ハロウィンで不気味な仮装をするのは、もともとハロウィン自体が死者の魂や精霊、悪霊と関連の深いイベントだから。
もともと死者の魂や精霊をなだめるためのお祭りで、中世では精霊の格好をして家々を回り、歌や劇と引き換えに食べ物や飲み物を得る風習も一部の地域で存在しました。
20世紀半ばになってアメリカを中心にハロウィンが一般化すると、ハロウィンで子どもが着用するダークなコスチュームに対して、「悪霊と同じ格好なら襲われない」「怖い姿を見て悪霊が帰ってしまう」といった考えもベーシックになり、悪霊から身を守るために、同じ格好に扮して仲間に見せかけようとしたのが、仮装の始まりのようです。
そして最近では映画やコミックを通してさまざまなモンスターなどが創作されるにつれ、仮装の種類も多彩になりました。魔女、ゾンビ、ドラキュラといったお馴染みの怪物から、映画やアニメで人気のキャラクターに至るまで、広く仮装を楽しむスタイルが主流になり、全く関係のないコスプレで盛り上がってる方も多数。
我が家も子供たちが小さなときはお友達と一緒によくパーティーをしていました、こんな感じで↓
はじめは忍者や海賊で簡単にパーティをしていたのですが、段々と気合が入り翌年がこちら↓
この時はテーマをスターウォーズにしてみんなでBBQしつつ、子供たちとハロウィンを楽しみ、盛り上がっていました。
もはや何のハロウィンのゆかりもないコスプレ…
日本でも仮装パレードや仮装コンテストなどが各地で開催され、多くの人々が個性豊かな仮装を楽しんでいます。
私たちの仮装もだんだん方向性が…周りの期待に応えて大変なことに!
USJにこんな姿でお邪魔して…気合い入れ過ぎですよね。
旦那さんのメイクも私が担当、私自身も勿論。
どうやって自分の立派な眉毛を消すかが問題でした☺
子供たちもお顔が洋風なため、衣装が似合い過ぎて一般の方からスタッフだと間違えられ、記念撮影に長蛇の列。
途中、スタッフさんからお話を聞かせてください!とアンケート調査があり、とても感謝されグッズを頂いたことも。
1つ反省するとしたらこんな大きな頭で行くと、アトラクションに乗る度に頭を外さなくてはならない…旦那様も同じく。
その頭を外した姿がまた周りに大うけでしたが、ちょっと恥ずかしかったですね☺
なので翌年はUSJになじむハリーポッターで気楽に満喫。
ちなみに、外出先でたくさんの人々とお祭りムードを分かち合うのはアメリカスタイルのハロウィンです。
本場アイルランドでは、ハロウィンは家族単位で文化を楽しむもの。
特別な料理を用意して食卓を囲んだり、家族で仮装を楽しんだり、限定スイーツを味わったりしながら絆を深めるのがベーシック。是非それぞれの方法でハロウィンを楽しんでみてください。
ハロウィンにカボチャ(Jack-o’-Lantern)はなぜ?
Jack-o’-Lantern(ジャックオーランタン)は、かぼちゃの提灯。
ハロウィンイベントを象徴しますよね、この不気味なかぼちゃの提灯…
これはジャックオーランタンと呼ばれ、ハロウィンシーズンには、くりぬいたカボチャの中にロウソクをともすのが一般的。
昔は、かぼちゃではなくカブをくりぬく風習がありました。カブがケルト人にとって身近な農作物であったからです。
よい精霊を呼び寄せ、悪霊を追い払うものと言い伝えられています。
Jack-o’-Lanternの由来は諸説ありますが、その一つが「ジャック」という男の物語です。
昔、ジャックという飲んだくれの怠け者で嘘つきな男がいました。
そのジャックがハロウィンの日も酒屋でお酒を飲んでいたところ、偶然ハロウィンの日に現世に来ていた悪魔と出会い魂をとられそうになります。
そこでジャックは「俺の魂をあげる代わりにお酒を飲ませてくれ」と得意のウソをつきました。
それを信じた悪魔がコインに化けてジャックがお酒を買えるようにしたのです。
ジャックはすかさずそのコインを十字架で押さえつけ、悪魔が元の姿に戻れないようにしてしまいました。
元の姿に戻れなくなり困った悪魔は、今後10年間は命を取らないという約束で開放してもらいその時は事なきを得たのです。
それから10年後、再びジャックの前に現れた悪魔は約束通りジャックの魂を取りに来ます。
ジャックは、最期だからという理由で「木の上になっているリンゴの実を登って取ってきて食べさせてくれ」と悪魔にお願いします。
疑うこともなくジャックの言葉を信じた悪魔は、木の上に登りリンゴを取るのですが、その隙を見てジャックは木の幹に十字架を刻み、悪魔が下に降りられないようにしました。
いよいよ困った悪魔は、もう二度と命をとらないと約束したのです。
月日が経ち、ジャックは命を悪魔にとられることなく命を終えます。
ジャックは天国に行きたかったのですが、今までの行いがひどかったので天国ヘはいけません。
仕方なく地獄へ行くこととにしたら、そこにいたのはあの時の悪魔です。
「お前の命をとらないと約束したから地獄へも入れないぞ」
天国へも地獄へも行けなくなったジャック。
「どうすればいいのか?」と悪魔に尋ねると、「元きた道を引き返せ」と伝えます。
しかし、来た道には光もない暗闇の世界。
天国へも地獄へもいけないジャックは、永遠にその暗闇を彷徨うことになったのです。
しかし、それを哀れんだ悪魔は地獄で燃えている火の塊を一つジャックにあげました。
ジャックはその火の塊をカブの中に入れてちょうちんを作りました。そしてそのちょうちんを持ってこの世とあの世をさまようようになりました。これが行く当てもないジャックの旅の始まりでした。
諸説あるものの、これがジャックオーランタンの由来になった話です。
どの説も「どうしようもない男が天国へも地獄へも行けず、明かりをもって暗闇を彷徨い続けている」という点は共通しているようです。
いつしか、ジャックの持つちょうちんが死んだ人々の魂のシンボルとなりましたが…ではなぜカブなのか?
古代ケルトで使われていたのはカボチャではなくカブ。
ハロウィンがアメリカに伝わった際に、現地で生産の多かったカボチャをカブの代わりに代用したというのがカボチャとハロウィンの始まりです。
スコットランドなどでは、いまでもカボチャでなくカブをくりぬいてジャックオーランタンを作っているエリアもあるそうです。
オーストラリアのハロウィン事情
日本では 店内装飾からメニューの内容までハロウィンづくしになる大々的なイベントですが、オーストラリアでのハロウィンはそれほど盛り上がらないイベント。
オーストラリアに住んでいた当時は、
本場だから、きっと賑やに過ごすのだろうなぁ!
とワクワクしていたら、あまり関心がないようで、ハロウィンの認知度の低さに拍子抜けでした。
旦那さんに聞くと英国圏ではどこも同様にハロウィンへの関心は低め。
ハロウィンのことを旦那さんの家族に聞いてみると、大抵「アメリカのイベントでしょ?」という返事。
ハロウィンの起源は、アイルランド人・英国(スコットランド)人が祖先とするケルト人文化。
アメリカのお祭りではないのですが、アメリカへ移民が渡ってからの文化。
ハロウィン認知度が低いオーストラリア人から見ると、「アメリカで盛り上がっているイベントが世界に広まっている」ということイメージ。
勿論アメリカでは昔も今も盛大にハロウィンをお祝いしています。
同じ英語圏の国々でもこんな風に文化に違いがあるのだけは知っておいても良いかもですね。
とはいえ、今ではハロウィンイベントを開催するパブやレストランも増えてきました。
ただ、オーストラリアのハロウィンは日本のようなかわいい系ではなく、グロめのコスプレが主流です。
最近ではオーストラリア各地で『ゾンビウォーク (Zonbi Walk)』という有料のチャリティーイベントも開催されています。
このイベントの参加費は病気の人を支援している団体などに寄付されるので、参加者はコスプレを思いっきり楽しみながら社会貢献している気分にもなれる仕組みです。
無料でゾンビ等のメイクアップをしてくれるブースもありますよ!
豪州ではいかにグロさをリアルに表現出来るか、を競う仮装ですので日本とは少し違いますね。
今ではオーストラリアにダイソーも出来ましたのでグッズも販売されています。
日本ほどの賑やかさはないものの徐々に浸透していますので、この時期にオーストラリアにおられる方はオーストラリア風のハロウィンを満喫してくださいね!
まとめ
ハロウィンの本来の意味は死者の魂を迎え、悪霊から身を守るための宗教的な行事でしたが、現代では楽しい仮装イベントとして変化しています。(※ハロウィンの起源については諸説あります。)
ちなみに「Halloween」のつづりは注意が必要です。
よくありがちなミスが「Helloween」や「Hallowin」ですが、「Helloween」は「こんにちは」の意味で馴染みが深い「Hello」に引っ張られてしまい「Hallowin」は「ハロウィン」の「ウィン」の音から「勝利」を意味する「Win」を連想して起こるつづりの間違いですのでご注意を!
お子さまがおられるご家庭の楽しみ方、学生さん達、大人になってからと楽しみ方は少しずつ違ってきますが、もし「Trick or Treat!」と声をかけられたら「ハッピーハロウィン!」と応えてほしいですね。
我が家では一応このシーズンだけは、もしもの場合に備えてお菓子をパッケージして備えております♪
もう家族で仮装してお出かけすることは子供たちに拒否されますが、旦那様はいつでも乗り気。
毎年ハロウィンの雰囲気が盛りあがるデコレーションを少しでも飾り、食事も可能な限りハロウィン仕様で用意しています。
子供たちは大きくなったのでお友達同士で盛り上がっています。
今年も大学のサークルで仮装してイベントとか…
Enjoy Halloween!