パートナービザ【豪州】の種類について

もしあなたがオーストラリア、もしくはどこかの国で出会いがあり、その後の人生を出会った人と一緒に過ごしたいと思ったら…。
そしてその人がたまたまオーストラリア人(オーストラリア永住権/市民権保持者)だったら?

まさしく私がそのパターンに出くわした人なのですが、まさか国際結婚をするとも思わず…

常に色んな場面にぶち当たりながら進むのですが、その頃はネットもそれほど浸透しておらず、人に聞いて、調べて実際足を運んで、また振出しに戻ることもしばしば。

今はそんな時代ではないので、出来るだけ時間を無駄にせずに正しい情報でスムーズに事が進めばと思います。

今回は豪州のパートナービザについてお伝えしたいと思います。


パートナービザ(通称)とは、カップルのお2人(異性/同性同士カップルも可能)が永続的な関係を見込んで、長期的にオーストラリアで一緒に過ごすためのビザです。

このビザは年々審査が厳しくなっており、法律専門家のサポートが必要なケースが多いものがほとんど。

申請者が日本人でパートナーがオーストラリア人である場合、パートナービザを取得後に永住権を取得してもパスポートは日本のまま、国籍も同様に日本人のままです。

「市民権」を申請し承認された場合には、どちらかの国籍=パスポートを選ぶことになります。

目次

パートナービザの種類

パートナービザには3つの種類があります。
申請者とスポンサーがパートナー関係であることが必須条件ですが、婚姻関係または事実婚関係(ディファクト)の2つのパターンがあります。

この3つのビザはどれもがパートナーとあなたがオーストラリアで一緒に生活することを許可するもので、同性カップルを含め、どのカップルでも申請することができます。

・婚約者ビザ(サブクラス300)
・オンショアパートナービザ(サブクラス820/801)
・オフショアパートナービザ(サブクラス309/100)



オーストラリア国内で申請する場合はオンショアパートナービザ(サブクラス820/801)、国外から申請する場合はオフショアパートナービザ(サブクラス309/100)になります。

婚約者ビザは通常海外からの申請で、パートナービザ(サブクラス820/801)に申請するまでオーストラリアに入国し、滞在することができるテンポラリービザです。

●オフショアパートナービザ309【海外からの申請】

Partner Visa (Offshore) – Subclass 309 / 100

オフショアパートナービザと呼ばれ、オーストラリア国外から申請するパートナービザになります。
オーストラリア国外に在住で、オーストラリア人、永住権保持者、または特定条件を満たしたニュージーランド人と婚姻関係又は事実婚関係にある場合、このビザを申請することができます。

パートナービザに関する詳しい情報はこちらから↓

https://immi.homeaffairs.gov.au/visas/getting-a-visa/visa-listing/partner-offshore

初回の申請から永住権取得までに2段階のステップを踏む必要があるビザで、初めはプロビジョナルビザと呼ばれるビザが発給されます。プロビジョナルビザはあくまで暫定的なビザであり、取得してから2年の間にパートナーとの生活が破綻していないなどの条件を満たすと次のステップに進むことができ、2段階目の申請が認可されると正真正銘の永住権を得ることができます。

ふじこ

パートナービザには2種類あり、サブクラスによって区別されています。

オフショアで申請するパートナーを指します。サブクラス309/100パートナービザは、サブクラス309(暫定)とサブクラス100(永続)で異なるビザですが、同時に申請します。 

このビザにより、オーストラリアへの渡航が許可され、居住、就労、就学、制限のない旅行、メディケア・サービスの利用が可能になります。

このビザで2年間滞在した後にようやくサブクラス100ビザを申請する資格が与えられます。
このビザを取得するとオーストラリアの永住権保持者となり、オーストラリア居住者が受けられる権利を利用できるようになります。

●婚約者ビザ(サブクラス300)

Prospective Marriage Visa – Subclass 300

婚約者ビザやフィアンセビザと呼ばれるこのビザもオーストラリア国外から申請します。

パートナービザに関する詳しい情報はこちらから↓
https://immi.homeaffairs.gov.au/visas/getting-a-visa/visa-listing/prospective-marriage-300

ビザ取得後にオーストラリアへ入国し、婚約者と結婚をすることがこのビザの主な目的となります。
比較的短い9か月間の一時滞在が許可されるビザですが、この滞在期間中に婚約者と結婚することでその後に subclass 820 / 801 ビザの申請へとつながっていきます。

婚約者ビザとして知られることもありますが、サブクラス300の結婚見込みビザを申請するには、オフショアである必要があります。

パートナービザ(オンショア・オフショア共に)の申請条件を満たしていないものの、近い将来に結婚式の予定がある場合などはこのビザが最も適したビザになります。

300ビザを取得し、結婚後にオーストラリアで永住するためのパートナービザ(サブクラス820/801)を申請することができます。ほとんどの場合、パートナービザ(サブクラス820/801)を通じてメディケアを利用することもできます。

●オンショアパートナービザ(サブクラス820/801)【豪州国内より申請】

Partner Visa (Onshore) – Subclass 820 / 801

オンショアパートナービザと呼ばれ、オーストラリア国内から申請するパートナービザになります。
オーストラリア国内に在住していて、オーストラリア人、永住権保持者、または特定の条件を満たしたニュージーランド人と婚姻関係又は事実婚関係にある場合、このビザを申請することが可能。

パートナービザに関する詳しい情報はこちらから↓

https://immi.homeaffairs.gov.au/visas/getting-a-visa/visa-listing/partner-onshore

オフショアパートナービザと同様、初回の申請から永住権取得までに2段階のステップを踏む必要があるビザで、初めはプロビジョナルビザと呼ばれるビザが発給されます。

プロビジョナルビザは暫定的なビザで、取得してから2年の間にパートナーとの生活が破綻していないなどの条件を満たすと次のステップに進むことができ、2段階目の申請が認可されると正真正銘の永住権を得るというシステムです。

●国際結婚、もしくは事実婚でミックハーフのお子さまをもうけた場合は、こちらの記事も参考になりますのでどうぞ

https://www.fujikotravel.com/mixed-baby/

パートナービザ取得の難易度

簡単に取得できる観光ビザや学生ビザとは違って、オーストラリアのパートナービザは永住権(PR)取得のための経路であり、審査は一時的なビザ申請よりもはるかに厳格です。
本当に厳しいのです。

このビザは特殊技術や資格がなくてもパートナービザを取得すれば永住権を取得できるため、かなりのパーセンテージで交際をしているふりをして、ビザのために偽装交際をしているかたもしばしば…

私も過去パース在住の際に出会った日本人(日本食レストラン経営)でなかなか永住権が取れず、
戸籍だけの関係でビザの為にオーストラリア人女性と偽装結婚をする為にエージェントに申し込んでいる
と耳にしたことがあります。

ふじこ

初めて聞いた時は驚きましたが、それほど大変な道のり…

結婚されたとは聞きましたが、私も日本に戻ったのでその後ちゃんとビザを取得できたかどうかは私も知る由がなく。

比較的取得しやすいと言われる看護士、日本食レストラン、美容師であっても年々取得が難しいパートナービザ。

申請を裏付ける書類などの証拠を入手するために労力を費やすことが多いいので、オーストラリア政府は、偽装交際によってオーストラリア永住権を取得しようとしている人物と、本物の交際相手とを見分けることが難しくなっていて、それゆえに何千ものパートナービザが却下されています。


パートナービザの申請が却下された場合、オーストラリアの行政審査法廷に不服を申し立てることができ、毎年1,000組以上のカップルが、自分たちの関係が真実だと証明した後に法廷で却下を覆し、ビザを取得しています。

こあらん

近年では、全パートナービザ申請のうち42%もの申請者が政府によって却下されているんだよ…

ここまでの道のりが長い!

パートナービザの申請は、特に拒否されるリスクを考えると、無理難題のように思えるかもしれませんね。

2段階方式でビザが降りる

パートナービザには以下の2つの段階があります。

ステージ1:  テンポラリーパートナービザ
ステージ2:  永住パートナービザ

最初にテンポラリーパートナービザが下ります。
オンショア申請の場合サブクラス820、オフショア申請の場合サブクラス309になり、カップルは最初の申請日から2年後に、再度条件を満たしているかどうか審査されます。
恋愛関係が継続していることが証明でき、条件を満たしていれば永住パートナービザが下ります。

サブクラス820の保持者は801、サブクラス309の保持者は100になります。
恋愛期間が長い場合、またはカップルの間に子供がいるなどの特別な状況の場合、直接永住ビザが下りることも。

結婚しているカップルの場合

ビザ申請で認められている婚姻は、オーストラリアで結婚登録されているか、もしくはオーストラリア以外の国での婚姻の場合、その国の法律で結婚関係が認められていなければなりません

旦那P

僕たちの場合は本来ならこのカテゴリーでした。

ただ、私達の場合は婚約時に旦那様がまだ前の奥様の永住権取得にスポンサーになってから5年が経過していなかったので、私は普通に観光ビザで入国して滞在を引き延ばしておりました。

この辺りもまた別記事でお伝えしたいと思います。

ディファクトカップルの場合

ディファクトカップル(事実婚関係にある異性または同性カップル)は、通常申請前に12ヶ月以上同棲していることが要求されています。
恋愛関係を州政府に登録することができれば、同棲期間が12ヶ月未満の場合でも認められます。

またどちらか一方が離婚協議中などで、第三者とまだ法律上婚姻関係にある場合でも条件を満たせば申請可能です。

事実婚(De facto)についてはこちらで詳細をお伝えしておりますので、ご興味のある方はご覧ください↓

https://www.fujikotravel.com/de-facto/

日本での事実婚のイメージとは全く違う海外の事実婚システムは、常識として知っておくと役立ちます。

様々なシーンで事実婚カップルに出会うことも多いかと思いますし、個人的にも良いシステムだと思います。

テンポラリーでもパートナービザを取得したら

テンポラリーでパートナービザを取得すると以下のことが可能になります。

・永住パートナービザの審査が完了するまでオーストラリアに滞在。
・オーストラリアでの就学。
・オーストラリアでの就労。
・オーストラリアの国民健康保険であるメディケアへの加入。

どれも喉から手が出るほど欲しかったのですが、私の場合は婚約時に旦那様はまだ前の奥様の永住権取得のスポンサーになってから5年が経過していなかったので、私は普通に観光ビザで入国。

観光ビザは3ヶ月しか滞在できないルールなので、期限が切れそうになると国外逃亡して、またリセットしてから3ヶ月…

それすらも面倒になり、追加料金を払えばビザを3ヶ月から6か月に延期できると聞いて延期していました。

ただ、電子観光ビザ(ETAS)で入国されている方はオーストラリア国内から延長不可ですのでご注意ください。

X 電子観光ビザ(ETAS)→ 電子観光ビザ(ETAS)
○ 電子観光ビザ(ETAS)→ 観光ビザ(サブクラス600)

現在、電子観光ビザ(ETAS)でオーストラリアに滞在の方は、オーストラリア国内から電子観光ビザ(ETAS)の申請はできません。

ふじこ

申請希望の方はオーストラリア国外からの申請が必要です!


ニュージーランドなどから申請ができる場合もありますが、100%の保証はないので日本からの申請をオススメします。

そして観光ビザ(サブクラス600)はオーストラリア国内からの申請が可能です。
このビザでの滞在期間は3,6,12ヶ月で、申請料金は140〜1020豪ドルです。
ただ、観光ビザ(サブクラス600)は観光や家族訪問、ビジネス会議を目的としたビザで、就労は認められません。

延長する際には、国内でのビザ申請が2回目以上の場合は延長料金700豪ドル+申請料金560豪ドルが必要です。

オーストラリアに滞在中で、もっと長く滞在したい方は学生ビザを延長しながら長期滞在することができますが、私はもう現地での学校も通い終えたいたので学生ビザではなく、観光ビザを延長する方を選びました。

このあたりのビザについてはまた別記事でもご案内したいと思います。

まとめ

オーストラリアは治安も比較的安全でとても住みやすく、教育環境もしっかりしているので大変人気の高い国です。

時差も少なく地震もほぼなく、ゆったりとしていて留学先としても人気。
一度オーストラリアに来たらまた来たい!もっと長く住みたいという方が多く、ワーキングホリデーの若者はセカンドワーキングホリデービザを取得したり、学生ビザで延長したりと、長く滞在している方が多い印象でした。

一度日本に帰国してから2度目の留学に再訪、という方もよくお見かけしました。

知り合った方の中には、はじめは短期で日本に帰国する予定だったのが、ラッキーなことに働いている会社が就労(スポンサー)ビザを出してくれたケースや、パートナーがオーストラリア国籍またはオーストラリア永住権を持っていて、パートナービザで永住しているという方も多くいました。

次の記事では他の種類のビザや、永住権についてもお伝えしていきたいと思います。

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